
株式会社QunaSys
これまで裏舞台で社会を支えていた量子物理学を表舞台に引き出し、量子性を積極的に利用することで、既存のテクノロジーで成しえなかったことを実現するために創業。素材、化学、製薬など、様々な分野で産業活用できる未来のために、量子コンピュータのアルゴリズムの研究開発から、実用レベルのエンジニアリングまで、一貫して取り組んでいる。
インタビュイー

楊 天任
株式会社QunaSys
CEO
東京大学工学部機械情報工学科卒業。同大学院情報理工学系研究科に入学し、ミュンヘン工科大学マネジメント専攻に交換留学。帰国後QunaSysを創業。

河西 遥菜
株式会社QunaSys
広報・採用
獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒業。大学では日独のジェンダー学について研究。卒業後、インターン生としてQunaSysにジョイン。広報・採用を主に担当。

佐藤 勇也
株式会社QunaSys
エンジニア
岐阜工業高等専門学校を卒業後北海道大学工学部に編入。北海道大学大学院情報科学院を中退後、複数の企業でWEBサービスの開発に従事。2021年12月よりQunaSysにエンジニアとして入社。
「そこに色々なエンジニアがいそう」だからQiita Jobsを利用開始

--まずはQunaSysの事業概要と、Qiita Jobs活用のきっかけについて教えてください。
楊:QunaSysでは量子コンピュータのソフトウェアの開発をやっていまして、新しいアクセラレーターをうまく活用する事業に取り組んでいます。具体的には、「材料」の性質などのシミュレーションを行っており、その中で日々、化学メーカーさん等の材料開発現場を見ています。

QunaSysでは、量子コンピュータのための量子化学計算クラウド「Qamuy」の提供や、量子コンピュータの活用に取り組む企業コミュニティ「QPARC」の運営のほか、量子コンピュータの実応用に向けたソフトウェア開発やユーザーとの共同研究を通じて、量子コンピュータ業界のエコシステムづくりを進めている
楊:我々が究極的に目指すところは、材料開発をどんどんと改革していくこと。計算技術は、その中の一つの要素に過ぎないと思っています。とはいえ、メーカーの現場では日々、非常に泥臭い研究活動を経て開発作業が進められているので、そこに対してまずは我々の計算技術を使って現場のDXを進めていただきたいと思っています。
そんな背景から、計算から実験、機械学習までを統合するデータ管理システムを構築したいと考え、新しい事業を立ち上げることになりました。そのためのメンバーを募集する手段として、今回Qiita Jobsを活用することになったわけです。
--色々な採用媒体があると思うのですが、なぜQiita Jobsを選定されたのでしょうか?
楊:Qiitaはエンジニアが活用する媒体としてとても強力だと思うので、Qiitaに投稿したり記事を読んだりするエンジニアにリーチしたいなと思い、契約しました。雑に言うと、「そこに色々なエンジニアがいそうだから」ですね。
Qiita Jobsで採用したメンバーが、今度は採用担当としてQiita Jobsを活用

--採用体制として、皆さまはどのような役割分担をされているのですか?
楊:河西の方ではスカウト業務から入社までのやりとりを主に担当していて、佐藤と僕の方ではカジュアル面談や面接などの選考を担当しています。ちなみに、こちらの佐藤が、今回Qiita Jobsで採用した新規事業の責任者になります。
--そうだったんですね!
佐藤:Qiita Jobs経由で2021年9月に、まずは業務委託としてQunaSysの業務に携わることになり、同年12月に正社員になりました。現在は、新規事業の部分については採用担当としてQiita Jobsを使っています。
--2段階での雇用形態でジョインされたんですね。実際に採用担当側としてQiita Jobsを使ってみて、いかがでしょうか?
佐藤:求職者の方が、どういったアウトプットをQiitaなどで出しているのかをスムーズに見ることができるので声がかけやすく、履歴書にない情報をちゃんと見ることができる点が良いなと感じています。
--他の求人媒体とは、どのようなすみ分けで使っているのですか?
河西:現在は合計で4媒体を使っているのですが、エンジニア採用という観点ではQiita Jobsだけになります。他は、ビジネス職や大学院生に特化した媒体などですね。
--なるほど。Qiita Jobsを使う前後で、何か採用フロー等の変化はありましたか?
楊:特にないですね。もちろん、佐藤が入社して新規事業の部分については彼が担っているという点はありますが、それ以外については、むしろ今まで自分たちがやってきたやり方を実現できる媒体だと思っています。媒体の中には正社員採用に特化していて、例えば業務委託みたいな形で気軽にゆるく入ってもらうというのがなかなか難しいものもありますからね。Qiita Jobsは形にすごくフィットすると思います。
Qiita記事をしっかりと読んでからチャットを送信

--Qiita Jobsではチャットリクエストでスカウトをかけると思うのですが、どんなテンションでアプローチをされていますか?
楊:世の中的にはほとんど知られていない会社なので、まずは事業内容を書き、またその人のアウトプットなどを見ながら個別にカスタマイズしてメッセージを送っています。とにかく、興味をもってもらうことに重きをおいています。
--個別カスタマイズということは、事前にQiitaの記事なども結構しっかりと読まれるのでしょうか?
楊:そうですね。そんなに数を大量に打ってどうこうなるものでもないと思っているので、基本的にはしっかりと読んで、スクリーニングしてから送るようにしています
河西:「月に◯件」みたいな固定の数字をおいているわけではなく、その時々で波がある感じでチャットリクエストは送っていますね。求職者の皆様の反応も、それなりに良いと感じています。
--実際に「話を聞きたい」となってからのフローはどうなっているのでしょうか?
河西:正社員か業務委託かで変わります。正社員の場合は、まず最初に楊などがカジュアル面談を実施して、会社の事業内容をお伝えしたり、その方の職歴などに合わせてどんな職種でのご応募になるかなどをお話しさせていただきます。その後は技術面談ということで、こちらから課題を提示して2週間ほどの準備期間を設けてプレゼンをしていただいたり、その場で実際のコーディングテストを実施したりなどしています。そして最後に、また代表の楊が面談を実施するという流れになります。
業務委託の場合は、フローというよりは1度の面談を経て、お互いに良さそうだったら契約をするという形になります。
--なるほど。量子コンピュータという領域はまだまだこれからだと思うので、最初の候補者へのアトラクトが相当大事だと思うのですが、その辺りで工夫されていることを教えてください。
河西:基本的に、弊社でやっている事業を完全に理解される方は多くはないのが現状なので、こちらからリクエストを送っても「そもそも量子コンピュータの知識がない」といった返答が多いのですが、それでも「こういうところで活躍していただきたい」ということを早い段階で明示して、カジュアル面談の際に改めてしっかりとお伝えするようにしています。
アウトプットと求職者が結びついてる点がQiita Jobsのメリット

--改めてですが、Qiita Jobsのいいところを教えてください。
河西:一番はやはり、Qiitaでのアウトプットと求職者が結びついている点ですね。スキルの部分でフィルタリングをして、実際の記事を見て声をかける人を決めているので、候補者の興味分野が分かりやすいなと思います。
--貴社の今後の展望についてはいかがでしょうか?
楊:会社としては今後海外展開をしていく予定で、そこに対するメンバーを増やしていく予定です。ここについては、海外のプラットフォームを使おうと思っています。一方で佐藤が担う新規事業をスケールさせるためは、一般的なSaaSやSAPみたいなシステムを作っていくというところが必要なので、そこの共通コンポーネントを作ったりカスタマイズするようなチームを組成したりというところで、Qiita Jobsを使ってどんどんとメンバーを増やしていきたいと思います。--ありがとうございます。それでは最後一言メッセージをお願いします。
楊:先ほどもお伝えしましたが、Qiita Jobsはカジュアルな形で求職者とやりとりできたり、佐藤のように雇用形態を柔軟に選択できるので、スタートアップのような企業にはフィットするサービスなのかなと思います。
編集後記
今回は、業務委託での採用から正社員登用や、Qiita Jobsを求職者として使うところから採用担当者として使う立場へと変わるなど、色々とユニークなストーリーを伺えました。まさに、柔軟性が高いQiita Jobsだからこその活用方法だと感じます。
取材/文:長岡 武司
撮影:太田 善章